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今後も続くのか?子育てエコホーム支援事業申請の条件とは~ 申請受付の終わりは突然来る!? ~


2021(令和3)年11月19日、「成長と分配の好循環による【新しい資本主義】の起 動」を目的に、新たな経済対策が閣議決定され、子育て世帯・若者夫婦を対象とした省エネ住宅の取得の支援を行うこととされました。これまでは住宅に関する補助金などは、環境配慮やリフォームやリノベーションなど、住宅性能の向上を目的としたものが多かったのですが、子育て世代の住居費負担費などの支援強化や エアコンによる環境問題の解決など、住宅分野の脱炭素化の強力な推進が目的とされ、2021(令和 3)年度補正予算案に「こどもみらい住宅支援事業」が盛り込まれました。 この記事では2024年現在の子育てエコホーム支援事業に至るまでの背景や、 申請するための具体的な 条件や補助金額について解説していきます。


こどもみらい住宅支援事業とは? 子育てエコホーム支援事業に至るまでその① ~かつての条件や対象は?~

一定の省エネ性能を有する住宅の新築や、一定の要件を満たすリフォームを行う場合に、所定の補助金額が交付される制度です。新築は子育て世帯・若者夫婦世帯を対象として、最大100万円の補助金が交付され、リフォームの場合では、全ての世帯を対象として最大30万円の補助金が交付される制度です。

当初は2021(令和3)年11月26日から2022(令和4)年10月31日までに工事請負契約などの締結等がされ、国の登録を受けた住宅事業者等により着工された一定の住宅が対象でした。

一定の住宅とは、ZEH住宅や認定長期優良住宅、認定低炭素住宅、断熱等性能等級4かつ一次エネルギー消費量等級4の性能を有する住宅といった断熱性能の高い住宅が対象となり、「子育て支援」はどちらかというと後付けの要素が強かったように思います。

その後は申請期限を2023(令和5)年3月末まで延長(令和4年6月30日までに工事請負契約又は売買契約の締結が必要)されるなどを経て、2022(令和4)年11月28日に「こどもみらい住宅支援事業」は予算上限に達したため、申請受付を終了しました。予算額は合計で1,142億円でした。

申請件数を見ると、予算額に達した2022年11月に全体の33.5%が申請されており、予算の残りを見ながら申請が急がれた様子が見て取れます。こどもみらい住宅支援事業の補助金申請額を振り返ってみると、2022年9月末時点で予算上限額の約49%、10月末時点で約63%だったにもかかわらず、11月18日には75%と発表され、その後あっという間に予算上限額に達してしまい、11月28日に受付終了が告知されました。

表 1:申請件数


続いて登場した「こどもエコすまい支援事業」子育てエコホーム支援事業に至るまでその②~条件や対象はほぼ同内容?~

こちらも既に終了しているため詳しくは触れませんが、ほぼ同内容(もちろん細かな違いはたくさんありますが)の制度が名称を変えて継続されています。2022年11月8日以降の工事着手が対象となりましたが、焦って「こどもみらい住宅支援事業」に申請したのはなんだったのか?と言いたくなった人も多かったかもしれません。

さらに、「こども」と「エコ」となんら関係のない、単に国が推したいものをくっつけた制度であることを露呈するようなネーミングとなってしまいましたが、ネーミングだけでなく対象となる住宅が、ZEHレベルの高性能な住宅に限定されました。


そして「子育てエコホーム支援事業」に。その対象や条件は?

2023(令和5)年11月2日以降に着手した住宅が対象となる「子育てエコホーム支援事業」は、ZEHレベルの高性能な住宅に限定された「こどもエコすまい支援事業」が不評だったのか、今度は長期優良住宅については1戸につき100万円、ZEH水準住宅は1戸につき80万円と、補助金額の設定が大きく変わりました。

ただし、以下の①かつ②に該当する区域に立地している住宅は、補助額が1/2となってしまいます。

  • 市街化調整区域
  • 土砂災害警戒区域又は浸水想定区域(洪水浸水想定区域又は高潮浸水想定区域における浸水想 定高さ3m以上の区域をいう。)

対象となる世帯は次の子育て世帯と、若年夫婦世帯です。

表 2:対象となる子育て世帯と若年夫婦世帯

従来通り、リフォーム工事も内容に応じて補助金の対象となりますが、リフォームに関してはその他の世帯も対象となります。具体的な金額や対象となるリフォームは「子育てエコホーム支援事業」の公式サイト(https://kosodate-ecohome.mlit.go.jp/reform/)で確認するか、リフォーム工事を請け負う住宅会社・工務店に確認をしましょう。

交付申請期間は2024(令和6)年4月2日から予算上限に達するまでの期間であり、遅くとも2024(令和6)年12月31日までとされていますが、2024年9月30日 午前0時の時点における補助金の申請は新築で約55%程度に留まっています。

しかし、「こどもみらい住宅支援事業」の時がそうだったように、申請受付の終了は突然やってくるかもしれません。今後も同様の補助金が継続されるのかどうかは現時点では未定です。できるだけ早めに申請できるよう準備しましょう。

詳しい制度の概要や実際の工事、補助金の申請については、ろうきん「弥生会」の会員企業に聞いてみましょう。


「情報、経済、心の豊かさをサポートする」をモットーに、私、市川 貴博はエフアンドエス(F&S)・エキスパートの代表取締役として活動しています。
住宅ローンのアドバイスや手続き、家計の見直しに関する相談まで、長年のキャリアと実績を背景に、生活者の視点を重視したマネー相談を提供しています。
ファイナンシャルプランナーとしての専門知識を活かし、現代の住宅ローンや家計の課題にトータルで対応いたします。

ろうきん「弥生会」
住宅ローン・家計の見直しアンバサダー
ファイナンシャルプランナー
市川 貴博


以下 引用元等
写真:photo AC(https://www.photo-ac.com/
表1,2 :株式会社エフアンドエス・エキスパートが作成

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